第106章 財産を狙う

「父さん、俺は何もしてない。田中徳晴のほうが責任を認めたくないだけだ。あいつ、田中未菜が俺と別れてくれたら万々歳なんだよ!」

「文雄、旭がどんな子か、あなたが一番わかってるでしょ。あの子は真面目でおとなしいの。田中未菜に後ろめたいことなんてするはずないわ」

「私に言わせれば、田中家がうちを見下してるのよ。ここ数年、工場の景気もどんどん良くなって……田中未菜だって出世して、もう私たちなんか眼中にないの……」

月島母はそう言いながら、ぽろぽろと涙を拭った。

長年積もりに積もった辛さと悔しさが、一気にあふれ出す。

月島文雄は車椅子の肘掛けを握りしめた手に力を込め、指先が小刻みに震え始めた...

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